百綴れ
~慶びに満ちてゆく想いを綴る~
●京の地は平安のむかしより、いつも戦乱の渦に巻き込まれてきました。それゆえ都人は平穏な幸せを願い、さまざまな思いを衣裳に込めてまいりました。
『百』という数字は、ありとあらゆるものを満たすという意味を持っております。
この『百綴れ』は、多喜・多子・多士・多幸・多恵・多宝などに満ちるようにとの想いを込めて織り上げた帯です。
●綴織は中国では『刻糸こくし』という名で呼ばれているように、彫刻のような極めて精巧な織物で、古くから宮廷貴族のみの鑑賞用品として製作されてきました。日本へは奈良時代以降に伝えられましたが、実際に製織されたのは江戸時代後期になってからです。そして帯として織られたのは明治時代後期頃と言われています。
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百綴れ
- 一般の本綴れは700本の太いたて糸を使用しますが〝平野屋〟の『百綴れ』は明綴れに近い2,400本の細いたて糸を使用し、張りのある締め心地の良い風合いを作っています。
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波織百綴れ
- 琵琶湖のさざ波をアレンジし地組織に織り成した〝平野屋〟独自の変わり織綴れです。
袷せはもとより単衣の季節にも締めていただけます。さらに淡地色のものは夏物としてもお召し頂けます。
- 琵琶湖のさざ波をアレンジし地組織に織り成した〝平野屋〟独自の変わり織綴れです。
ぬれぬき
~しなやかで軽く、結び心地の良い~
●中世から近世にかけて、もっとも高貴な織物は、天皇、将軍の衣裳、そして能装束でした。これらの限られた衣裳に用いられたのが『ぬれぬき』です。
●一般の帯地は、生地に張りをもたせるため、ベースに織られる横糸(地ぬき)に〝糊〟を入れます。平野屋の『ぬれぬきの帯』は、この横糸に糊の変りに〝水〟を含ませて織っていきます。〝糊〟を使わないのと糸が乾いて組織が締まるため絹本来のしなやかさと腰のある独特のすばらしい風合いが出来上がります。
●水を使うため平野屋の工房でも、限られた高度な技術を持った職人にしか織ることができません。
- 管に糸を巻いて一昼夜、水に浸します。
上の能装束は室町時代『ぬれぬき』で織られていた長絹(ちょうけん)
丸楽帯『楽・楽・楽』
~両面帯~
●袋帯は二重太鼓に結ばないと裏無地が見えてしまいます。丸楽は両面とも表地ですから、一重太鼓で格調高く結べます。結び易い一重太鼓で、〝丸帯〟と〝袋帯〟のそれぞれの良さを合わせ持った帯がシンプル丸楽帯『楽・楽・楽』です。
丸楽帯『楽・楽・楽』3つの楽
- 結び方が簡単で 楽く一重太鼓なので名古屋帯と同じ手順で結べる。
結び上がった太鼓は裏面にも柄があるので丸帯の格がある。
太鼓を二重に合さなくてもよいので楽にスッキリと結び上がります。 - ゆとりの寸法なので 楽く仕立て上がりの寸法が一丈あるのでウエスト90cm位の方まで充分対応できます。(名古屋帯は9尺5寸)
- 表情が違う両面が簡単に選べる 楽しさ帯枕を当てる時に、表か裏かを決めるだけで二通りの柄を楽しめる。
※発売元織仙